交通事故後の後遺症の種類と治療について 予期せぬアクシデントで後遺症を抱えてしまうケースがあります。特に車が当たり前のように乗られるようになった昨今では、交通事故は避けても避けられない場合があります。後遺症などが残ってしまい今後の日常生活に不安を抱えてしまう人もいます。そこで今回は交通事故後の後遺症の原因や予防についてご紹介します。 交通事故後の後遺症の種類とは 交通事故の後遺症は様々な症状が起きます。ここでは代表的な種類について紹介していきます。 むち打ち 交通事故で一番多い後遺症です。交通事故の状況や被害者の年齢などにより症状は変わって来ます。一口にむち打ち症と言っても頚椎捻挫型、根症状型、脊髄型、バレ・リユウー症状型など様々な症状がありますので、決して軽視できるものではありません。 低髄液圧症候群 むち打ちの一種ではありますが、交通事故のダメージにより髄液を包む硬膜が損傷し、内部の髄液が外に漏れ出す症状になります。事故後すぐに症状が出る場合もあれば、数日経ってから症状が出る場合もあります。 高次脳機能障害 交通事故により脳がダメージを受け、言語、思考、記憶、学習、注意などの認知過程や、行動や精神の異常が出る症状です。日常生活に支障が出る脳の知的活動の障害になります。 上肢機能障害 肩関節、肘関節、手関節の3大関節と手指の部分を上肢と言い、交通事故のダメージにより上肢が損傷することです。 下肢機能障害 股関節・膝関節・足関節の3大関節と足指の部分を下肢と言い、同じく交通事故のダメージにより下肢が損傷することです。 交通事故後に後遺症が起こる原因 ここでは、交通事故後の後遺症の原因について紹介していきます。 むち打ちの原因 むち打ちの原因は外部から頚椎に強い負荷が掛かることによって起こります。衝撃を受けた時に、ちょうど鞭がしなるように首が動くので、むち打ちと呼ばれています。医学的には頸椎捻挫や外傷性頚部症候群に属している症状になります。 低髄液圧症候群の原因 脳と脊髄までつながる閉鎖空間を脳脊髄腔と呼び、なんらかの外的要因で脳脊髄腔がダメージを受け、中の脳脊髄液が漏れることで低髄液圧症候群は起こります。脳脊髄液が漏れると、閉鎖空間内で脳と脊髄を浮かるための脳脊髄液が不足してしまい、腔内の圧力が低下します。こうなると頭痛などの様々な症状が起こります。 高次脳機能障害の原因 脳が外的要因の負荷によりダメージを受けることにより起こります。事故後すぐに症状が出ることは少なく、数日経過してから症状が出始めることが多く見られます。頭に衝撃を受けた場合には、治療を受けるようにして下さい。 上肢機能障害の原因 交通事故により上肢がダメージを負うことで起こり、上肢の機能に様々な障害が出ます。 下肢機能障害の原因 上肢と同じく下肢がダメージを負うことで起こります。 交通事故後の後遺症によって起こる痛み ここでは交通事故後の後遺症によって起こる痛みについてご説明します。 むち打ちの痛み 首の痛み、頭痛と言ったものが断続的に起こります。頚椎に異常なしと判断されていても、むち打ちと言う可能性がありますので、診断は難しいものになっています。 低髄液圧症候群の痛み 主に頭痛が症状となりますが、吐き気、物が二重に見える、耳が聞こえにくい、首が痛い、視野が狭くなる、眩暈ななど症状は多岐に渡ります。むち打ちが原因で起こることもありますので、事故後から数日経って時間が空いてしまっても病院へ行くようにして下さい。 高次脳機能障害の痛み 言語、思考、記憶、学習、注意などの認知過程や、行動や精神の異常が出ます。呂律が回らないと言う症状が一番分かりやすいものになりますが、潜在的に高次脳機能障害であると言う可能性もありますので、異常を感じた場合にはすぐに病院へ行くようにして下さい。 上肢機能障害の痛み 上肢の障害全般になります。痺れが出る、力が入らないと言った症状から天気が悪いと痛むなど症状は様々です。 下肢機能障害の痛み 上肢機能障害と同じく下肢の障害全般になります。痺れや力が入らないと言った他にバランス感覚が取れないと言った歩行困難などが出ることもあります。 交通事故後の後遺症を予防する方法 交通事故後の後遺症は種類によって予防する方法が異なります。それぞれについてご紹介していきます。 むち打ちの予防法 頚椎をコルセットなどで固定します。痛みが酷い場合には湿布などを貼るなどして緩和を目指しますことが一般的です。 低髄液圧症候群の予防法 交通事故による外的要因が原因となりますので、交通事故を防ぐ以外に防ぐ方法はありません。とは言っても交通事故は突然起こるもので、防ぎようがない場合がほとんどです。ですので、低髄液圧症候群と診察された場合には病院でしっかりと治療を行う必要があります。 高次脳機能障害の予防法 こちらも同じく交通事故が原因となる場合には防ぎようがありません。重度の障害となりますので、病院でしっかりと治療を受けた後に、長期のリハビリが必要となります。 上肢機能障害の予防法 病院で治療を受けた後に、リハビリが必要となります。感覚を取り戻すまでには年齢などの個人差がありますが、リハビリを受けることで通常通りになるケースが多くなっています。 下肢機能障害の予防法 こちらも同じように病院で治療を受けた後に、リハビリを必要とします。上肢と違い、リハビリは大変なものとなる傾向がありますが、リハビリを続けることで日常生活に戻ることが出来ます。 交通事故後に起こる後遺症の治療法 ここでは、交通事故の後遺症の治療について紹介していきます。 むち打ち むち打ちの治療では、歪みを解消するためにバランス調整するような治療を行ったりレーザー治療などが行われたりします。症状に合わせて治療するようにしましょう。 低髄液圧症候群 脳脊髄液減少症では、保存的な治療方法などの治療方法が用いられます。安静を保ちつつ水分補給を十分に行うことで自然治癒を目指す治療をすることが多いですが、早期発見が前提条件となりますので注意して下さい。 高次脳機能障害 言語障害などの認知過程に障害が出ている場合には、適切な治療後にリハビリを行います。言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士などがプログラムするリハビリを行い、日常生活への復帰を目指します。こちらも早期発見が大事とされますが、自覚出来ない場合が多くあり、そのため発見が遅れてしまうケースが多く見られます。 上肢機能障害 治療後に作業療法などのリハビリを行い、機能改善を目指します。また、筋力が低下しないようにさせる目的もリハビリにはあり、なるべく早い段階で日常生活へ戻れるように治療しています。 下肢機能障害 治療後に歩行練習などのリハビリを行い、機能改善を目指します。歩くことが出来なくなると、筋力低下もそうですが、気分的にも滅入ってしまうことが多くなり、欝へと繋がる可能性もあります。早い段階でリハビリを行い、機能面のサポートと精神面のサポートを行います。